赤いヘッドはfrcklesになりやすいですなぜ
globe decade Blog : 踊る人 [上巻]
1月25日、ツアーが無事終了。最終公演地が大阪だけに、浪花なくとも、エブリのバディ、おつかれさまでした。 最終公演をみながら、やはり甦る光景がいくつもありやした。
decadeだったり、TKが今回のツアーについて初めて語ってくれた昨年9.11からの約4ヵ月間だったり、当日だったりの断片が目覚めてしまいました。当然、それはぼくだけじゃなくて……。
アンコールのラス曲「Is this love」の時です。舞台下手袖に場所を移すと、スタイリストの大久保篤志さんもいらっしゃいました。
「甦っちゃったよ、この曲聞いてたら」
ビデオクリップ撮影日の、あの美しい映像からは想像でもない過酷な光景が心の小さなスクリーンに映し出されたようです。優雅さの裏には過酷さありは世の常でしょうか。たとえば、19世紀フランスのブルジョワ婦人達の優雅なファッション。その内側には、肋骨を変形させるほど締め上げたコルセットがあったわけだし。日本の十二単にしても、重量13キロ以上とも言うじゃないですか。あ、また脱線しかけましたが。大久保さんいわく。
「あの頃とも現場スタッフの顔ぶれが随分変わったな……。あの撮影を知ってるのは、もう(TK、KEIKO、MARCの)3人と俺だけになっちゃったし」
大久保さんはglobeお披露目の、95年TK DANCE CAMPでの、あの白いレザー衣装も担当。その意味では、globe decadeの目撃者でもありますね。できれば、じっくりお話を聞かせてもらいたいな。ま、僕がなんとなく知ってるだけでも、隔週でロスに通ってた時期があったりね。当時、大久保さんが搭乗すると、「本日もありがとうございます」とか、女性客室乗務員が三つ指をついてお出迎えしていたとか(大げさに書いてますけどね)。
「なぜ真夏にレザーだって思ったかもしれないけど、小室さんと話した時から、俺の中にあのイメージが貼りついてたんだよ。これしかないって」
確かに、あの時の衣装は、「山田屋の桂子ちゃん」が「globeのKEIKO」になる門出の白無垢にも思えたし。長身のMARCは、サイボーグっぽく見えて、カッコ良かったな~。脚も長いし。TKは、抱えていたキーボードの赤とのコントラストが鮮烈でした。
そのDANCE CAMPでも数万人が踊りました。ダンス・カルチャーがまだまだ浸透していなかった時代でしたから、あの場で踊る楽しさに目覚めた人達もいたでしょう。そして、デビュー10周年への助走でもある、今回のツアーもまた、「踊る」を抜きには語れません。
あれは、追加公演初日の1月20日でした。場所はNHKと渋谷公会堂の交差点あたり。時刻は3時半頃。NHKホールの楽屋を覗き、別件仕事のため、一旦外出した時です。3人組の女の子が目に入りました。中のひとりが両手を掲げ、交互に上下に動かしています。そうです、今回のツアーをご覧になったみなさんなら察しがつくでしょう。MARC踊りです。それが微笑ましいというか、かわいらしいというか、思わず頬が緩みました。
本当はね、ちょっと立ち止まり、尋ねてみたかった事があったんですよ。でもね、見知らぬおやじにいきなり声かけらてもね、ヤだろうなと思い、自重しました。尋ねたかったのは、コンサート中MARCしか目に入らないほどのMARCファンなの?って事。だったら、路上でのMARC DANCEも当然ちゃあ当然。だけど、ぼくは違うような気がしたから。今回のツアーを何回もみせてもらった結論として、そうじゃなくても、そうしたくなる人がいっぱいいるんじゃないかなと、踊る彼女の背中を見つつ、思っちゃったから。それほどMARCの存在感が大きかったって事。
コンサート終盤、トランス色を強めるあたりから、MARC踊りが爆裂。毎終演後、頚椎(けいつい)をアイシングするほどでしたから。まさに渾身の、玉砕覚悟のライブ・パフォーマンスだったのでしょう。ある音楽業界人の方は言いました。
「どんな有名な、どんな上手いダンサーを連れてきても、あのMARC以上に客を熱くするダンスはできないね」
もちろん、MARCの存在感は、この踊りに尽きる訳ではありません。そこはいつかチャンスがあれば、細かく書きたいと思いますが、尽きる訳ではないけれど、集約されているとも言えるでしょう。日本には、それを言い表す言葉があります。一事が万事。ベテラン・シンガーソングライターのO.Kさんは、以前に一度だけインタビューさせてもらった時、こう言われました。「本質はディテール(細部)に出るものだ」と。
大阪公演も、当然その前のNHKホールも、それより前の東京国際フォーラムも、それ以外の場所も、客席がMARC DANCE一色になる瞬間がありました。ロックなら観客は拳を突き上げますよね。J-POPコンサートで一般的なのは、観客が両手を捧げるように振るアクションですか。ヘッドバンキングやダイブも市民権を得てます。だけど、よくよく考えると、そのどれもglobeの音楽には、フィットしてないのかも。だから、MARCはあれを編み出したというか、MARCのあれがハマッたのでしょう。踊る人、汝の名は、MARC。
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