2012年2月19日日曜日

お尻の注射は何ですか

ウォーゲームス 第四章−3|菜々のWeb小説

 遙は一日中クラスメートの女装少年たちにもてあそばれ、疲れ果てていた。カラフルなセーラー服に身を包んだ少女たちが、椅子に縛り付けたままの少女の男根を舐めている姿は異常な世界だった。しかしこの学園の異常さは教師たちまでがそんな姿を普通の世界だと思っていることだった。
 

 散々いたぶった後女の子たちは全員教室から姿を消していた。遙が一人で椅子に座ったまま動けないで震えていた。
「さあ寮に帰りましょう」
そう言う声を聞いて顔を上げるとみはるが残忍そうな顔をし、薄笑いを浮かべて立っていた。
「あらすっかり楽しんだのね、下着がたっぷりと汚れているわ。何をされたの?」
「…」
「そう…言えないの。また痛い目に遭うわよ」

「お…女の子が僕を…」
「僕?僕なの…まだ懲りないのね」
「いえ…私を…」
「どうしたの?」

「私の恥ずかしいところを…舐めて」
「ふうん…それで」
「いかされました」
「何回やったの?」
「覚えていません」

「そうなの…覚えていないほどスケベなことをしたのね。女のくせにこのおちんちんから白い物を吐き出したのね。それは許せない事よ。罰として今日私がお仕置きしてあげる。それに女性内分泌剤をもっと注射しましょうね。立たなくなるように一杯お注射してあげる」
「許してください」


「許せる訳ないでしょ。悪いことをしたなら償うのが当然でしょ」
「私がしたんじゃないわ。みんなで寄ってたかって私を虐めたの」
「あなたがスケベな顔をしているからよ。さあ立ちなさい」
「立てません」

「泣き言言うんじゃないよ、さっさと立ちなさい」
「お尻に…刺さっていて」
「あら。もう訓練始めたの…ふうん」
 みはるは嬉しそうな顔をして、遙の体を掴み上に持ち上げた。
「痛い、痛いよ」
 
 何時間も股間に入れられた男根を引き抜くと、その張り型には血がべっとりと付いているのが見えた。かわいそうにこんな物を体の中に入れられたまま長時間女の子たちに虐められ続けたのだ。
 しかしみはるは許さなかった。遙を立たせると、どこからか麻縄を持ち出してきて遙の上半身をきりきりと縛り上げていった。両手を後ろ手に縛り上げ二の腕から胸に何本もの麻縄を巻き付けていく。それは見事な縛り方だった。

「やめて…もうやめて」
 すっかり気が弱くなった遙は弱々しそうにそう呟いた。
 まるで囚人のようにセーラー服の上から高手小手に縛り上げ、その先端に付けた長いロープを手に取り歩かせた。
 
 廊下に出ると女生徒たちが遙をじろじろ見ている。
「あら先生。今日は授業ありがとうございました」
 見ると大高が目の前に立っている。
「今日はね、うちの生徒たちが代わりに授業をしてくれたからね、助かったよ。明日は個人指導してあげよう」


「お願いしますね。この子は半年で卒業させて戦場に送らなければならないんです」
「そうらしいな、前線は緊迫しているからな。でも遙を縛り上げているところを見ると特別戊種に育て上げるのか?」
「ええ…この子美形でしょだから一応士官相手の娼婦候補なんだけど、士官も変態が多くて特別戊種に育てろって指令が今日出たのよ」
「そうか、でも遙はその素質がある。きっと素晴らしい特別戊種になるよ。はっはっは」
 
 特別戊種?一体何のことを言っているのだろう。遙はまた不安になっていった。でも想像が付く、縛り上げて育てるって言ったらそれはマゾヒストとして調教するのに違いなかった。自分を女にするのだけでは物足りないのだ。女装させホルモン注射を打ち、体を女性化させたあげく性転換させ、そしてマゾヒストにまで陥れる。そこまで彼らはやるつもりなのだ。
 
 恐怖の余り遙は体をみはるにぶつけた、そして彼女がひるんで麻縄を離した隙に廊下を駆けだした。
「遙が逃げた、誰か捕まえなさい」
 遙は必死で逃げた。逃げても無駄な事は分かっていた。周りは敵ばかりだった、生徒は勿論のこと先生も全て敵だった。しかもこの学園の周りは拘置所のように高い塀で囲まれている。上半身を固く戒められたまま逃げられる訳がなかった。それでも逃げられずにはいられなかった。


 特別戊種などにはなりたくない。少し前まで彼は普通のどこに出もいる高校生だった。それなのに女にされ男の慰み者になるなんて想像も出来ない。自分が蒔いた種だった、あんなゲームしなければ良かった。何であんなゲームに填ってしまったんだ。夢なら覚めてくれ。でもこれは夢ではない、もうずっとそう思っていたが、夢から覚めるどころかどんどん悪い方向へ事が進んでいく。
 
 遙は必死で廊下を走った。しかし一日中変な物を股間に入れられていたため、満足に走ることが出来ない、しかも縛られたままだ。
 やがて体が急激に後ろに引っ張られ激しく転んだ。遙の両手から伸びた麻縄が廊下を引きずりそれを誰かが踏んだのだ。

         ***

 遙はみはるの部屋に戻されると、いつの間にか作りつけられていた檻に収納された。下着姿のまま上半身は勿論下半身まで麻縄でがんじがらめに縛り上げられ、口枷まで付けられていた。そしてその哀れな姿のまま、小さな檻に放り込まれた。


「お前は逃げたね。許せない…今後お前が逆らったらその檻に閉じこめる。今日は食事も与えないからね」
 遙はここへ連れてこられてからろくな食事を取っていない。体は痩せ始めていたが、女性ホルモンの効果か骨っぽくならず柔らかな脂肪が体全体を覆っているように思えた。
 
 余りにも酷い仕打ちに遙は泣いていた。泣きながら彼は少しずつ心が変化していった。男だった心は少しずつ女性に近づき、そして被虐の悦びが少しずつ彼の心に芽生えてきた事に彼自身まだ気が付いていなかった。この状況ではマゾヒストになり苦痛を受け入れるしか他に道がなかったのだ。
「お尻を出しなさい」
 
 みはるは狭い独房に入り込むと、麻縄で縛り上げているお尻の部分に女性ホルモンをたっぷりと注射した。そして恥ずかしい部分に肛門を拡張する器具をしっかりと付けると独房から出て南京錠を掛けた。
 その金属的な音が響いたとき、遙は永遠にここから抜け出せずに奴隷となって過ごす運命の音に聞こえた。



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